じんま疹

じんま疹とは

強いかゆみを伴う膨隆疹が24時間以内に繰り返し出没する疾患です。
もともと体の中にあるマスト細胞という細胞の周囲にはIgE抗体という免疫に関わる抗体がくっついています。そこへ原因となる物質(アレルゲン)がIgE抗体に結合するとマスト細胞内からヒスタミン等の化学伝達物質が放出され、それらが血管や神経に作用してかゆみ、赤み、膨隆疹などの症状を引き起こします。この反応がⅠ型アレルギーという反応です。

じんま疹はこのようにIgE抗体が関係するアレルギー性のものとIgE抗体が関係しない非アレルギー性のものがあります。
非アレルギー性のものではIgE抗体を介さずにマスト細胞から化学伝達物質が放出されます。例えば

  • 物理的刺激でマスト細胞を刺激→物理性蕁麻疹
  • 発汗がアセチルコリンを誘発しマスト細胞を刺激→コリン性蕁麻疹
  • ヒスタミン様物質を含む食物(豚肉、サバ、タケノコなど)を摂取して起こるもの
  • 造影剤や非ステロイド系の薬剤により起こる反応が原因であるもの
  • その他

などがあり、じんま疹の原因は多岐にわたっている事がわかります。
複数の要因が複合的に関与している可能性もあるので原因をつきとめる事は難しく、詳細な病歴が手掛かりとなりますが、場合によってはプリックテストや採血(採血では原因の断定はできません。あくまで補助的なものです)で手掛かりを得られる可能性はあります。
実際は70%以上は原因が特定できない特発性蕁麻疹とされています。

治療

抗アレルギー剤の内服が主体となります。
難治性の場合はIgE抗体の働きを阻害する注射(オマリズマブ)をおこなう事もあります。

さらに詳しく知りたい方は